SSブログ

アイデンティティー [雑感]

今の仕事を始めて来月で26年。
常連さん達も長い人は20年以上のお付き合いで、私と一緒に歳を重ねている。
赤ん坊だった人が結婚してその子を連れて来たり。施設に入って来られなくなった人も。
最近は高齢者の対応に苦慮している。個人差があってなかなか難しい。
忘れっぽくなった人も雨だから来ない人も、高齢者なら仕方ないとこちらは思うが、問題なのは御本人が認知機能が怪しくなっている事に不安や恐怖を感じている人。

昨日も、こちらへの道順を聞く電話がかかって来た。
初めての人だと思って丁寧に道順を案内したら「あら、案外近所なのね。」と。
予約をお取りしますから、お名前を伺っても良いですか?と聞くと、先週来た常連さんだった。
もう15年位うちに通っているのに。絶句した。
今更道が分からない?無事に来られるのだろうか?帰りも分からなくならないだろうか?
時間は分かったのだろうか?不安だらけ。

また別の人は、自分の認知機能が怪しくなっていくのが怖いと言う。
夫が誰だか分からなくなる日が、そう遠くないのではないか?
誰だか分からなくなった夫に自分の介護をさせて、御礼も労いの言葉も無く生きていく?
最後は自分が誰かも分からなくなっていく。
そんな恐怖を感じている人に、どう言葉をかければ良いのか私も悩む。

自分が何なのか?認知機能が大丈夫でも、難しい問題だ。
nice!(8)  コメント(7) 
共通テーマ:日記・雑感