月日の流れと共に

先月で、今の職場で開業して27年経った。
私も27年分歳を重ねたが、うちに来る常連さん達も同様に歳を重ねた。
テナントの2階でエレベーターが無いので、階段が登れなくなると縁が切れてしまう。
職場のすぐ裏のマンションにお住いのご夫婦は、開業当時からの常連さん。
御主人はもう88歳。流石に車椅子生活になって、うちには来られなくなった。
奥様が今日みえて、何とかサービスを受けたいとお願いされた。
そうは言っても来て頂かないとキチンとした事が出来ないし、困った。
しかし奥様はもっと困って、落胆の表情で帰りかけた。
長いお付き合いの末に私を頼ってくれたのに、応えないでどうする？
「ちょっと待って下さい。私がお宅へ訪問してサービスを提供します。」
都合の良い日を聞いて、伺う約束をした。

運転免許証を持ちながら運転出来ない私は、訪問サービスは考えに無かった。
しかし半年前から大きな施設に出張して仕事をするようになって、ハードルが下がった。
100％のサービスが出来なくても50%でもご主人のQOLは上がる。
昼休みの出張は慌ただしくて最初乗り気ではなかったが、行けば何かしらの経験を積む。
それが生かされる時が来たような気がする。
個人宅への訪問サービスは初めてになるが、私で役に立つのなら精一杯やろうと思う。
新しいチャンスを与えてくれた神様に感謝。