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生き方と終活 [雑感]

最近私の周囲で亡くなった2人の女性の生き方が対照的だなと思っている。
女性建築士は、仕事でもプライベートでも最後まで好きな事だけして逝った。
長男が幼少の頃から何かの事情で夫とは別居していた。(離婚したのかどうかは不明)
しかし職場の男性と良い仲になり、息子の父親代わりになって彼女を支えていた。
その男性は、料理も洋裁も家作りも何でも出来る人。(一家に1人欲しいわー。)
仕事面でも彼女の右腕となって寄り添い、家でも彼女の体調に合わせた食事を用意。
癌の末期で腹水が貯まれば、ゆったりしたワンピースを縫っていた。
癌と分かってから大学に残っていた長男を呼び寄せて建築事務所を譲り、彼女も出来る範囲で仕事を続けていた。
煙草もお酒も止めずに、好きな事を好きなだけやって人生を終えた。
短くても悔いは無いだろうなぁ。
お通夜は沢山の弔問客が来て、御棺の中の彼女の顔を見ていた。
白装束ではなく、パートナーの男性が作った真っ赤なワンピースと帽子を身につけていた。

一方、事務の女性。
離婚後も障碍児の長男を抱え、高齢の母親の介護をしながらの暮らし。
うちには月に4日程来ていたが、同業者を数件掛け持ちで日々働いていた。
気を遣う人で、盆暮れの付け届けの他に何かにつけてお米や野菜、お菓子や小物をスタッフ全員分用意する。それじゃ報酬全部使っちゃって何も残らないでしょ?と言ってもやめなかった。
責任感の強い人で、入院する2週間前まで働いていた。
入院したものの、癌の末期で緩和ケアしか無いと言われて「残りの人生は自分の為に生きます。」とメッセージが来てから9日で亡くなった。
自分の為に生きたのがたったの9日。しかもベッドの上で寝ているしか無かった。
彼女は人の為に時間を使い、楽しい事が少しはあったのだろうか。
私が知らないだけで、楽しい事もいっぱいあったら良いな。
密葬で誰にも会わず、お墓も持たず、海洋散骨で海に帰ると生前言っていたそうな。

10年程前に膵臓癌で叔母を亡くしたが、叔母は生前に遺品整理の手間をかけまいと身の回りの所持品をすっかり処分していた。
体調がすぐれず段々弱っていく中で衣類も思い出の品も捨てて、最後は今着ている服と布団だけになるほど全部処分した。
あとは自分が居なくなるだけ、みたいな片付け方は悲し過ぎる。

遺品整理が大変だと言う話は良く聞く。
しかし叔母程すっかり無くするのも寂しい。
少しは残った物を眺めながら故人を偲んで涙する時間も遺族には必要なのかも。
捨てるのにお金がかかる物は処分して売ったら少しはお金になる物は残すのが良いのかも。
その価値観には個人差があって難しいけど。

今日は月に1度の美容院に行く日。
上記の話を美容師さんにしてみたら「僕のお爺ちゃんの遺品整理をしたらヌードポスターが沢山出て来て、『まったくお爺ちゃんたら、こんな物ばかり残して!』って死んでから笑われましたよ。」って。
そうか、笑われないように残さないとか。
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mutumin

人の生き方って、人それぞれという事ですよね。どのように逝きたいか、自分で決める。
自分としては、二人の親の片付け(母のはまだ残ってる)にかなり時間掛かったから、少しだけ迷惑かけて片付けて貰って、他をちょっとずつ片付けて行こうと思っているのだけど、全然片付かないな。
by mutumin (2024-03-03 05:55) 

HOTCOOL

今の職場は一応5年の有期契約。この後は自分の好きなことをやる予定。好きなことと言っても、映画観たり本読んだり旅行ですけどね。じっくりゆっくりやりたいな。
by HOTCOOL (2024-03-03 07:18) 

PauloBR

子供たちに自分の遺品をどう片付けさせたいのか?その準備の断捨離。
子孫の負担を少なくするための墓仕舞い...
まだそれを考えるのは早いと思うよ。
by PauloBR (2024-03-03 09:11) 

ChatBleu

遺品整理はマジ大変です。うちもまだまだやってます。
残ったものを眺めて故人を偲ぶ、なんて全然余裕なし。
テディベアのコレクションやら作品、ポツポツ売ってるけれどお金にしたいからではなくて、大事にしていたものを捨ててしまったりぽいぽいあげてしまうのも忍びなく、喜んでもらってくれる人にそれなりの価格で譲っています。
by ChatBleu (2024-03-03 14:53) 

pn

そーなんだよエロ系をどのタイミングで処分するかなんだよ(^_^;)
by pn (2024-03-03 14:54) 

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